Description of a work (作品の解説)
2009/01/20掲載
Work figure (作品図)
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マナの収集

 (Raccolta di manna) 1738-43年頃
1000×525cm | 油彩・画布 | サン・ロレンツォ聖堂

18世紀イタリア絵画最大の巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロの大作『マナの収集』。ブレーシア県ヴェロラヌオーヴァのサン・ロレンツォ聖堂に収められる本作は、同地の執政官G・F・ガンバーラの依頼によって制作された祭壇画作品で、主題に≪マナの収集≫が描かれている。本作の主題≪マナの収集≫は、エジプト軍の追撃から逃れたイスラエルの民が約束の地カナンを求め、荒野を進む途中に、「食料の豊富なエジプトへ居た方が良かったのでは?」と一行の中から不満が漏れるものの、その翌日早朝、民の不満を聞き入れた父なる神が、霜のような薄く小さな円形のマナ(パンのようなもの)を、約束の地カナンへ辿り付くまでの40年間天から降らせてたとする逸話で、先導者モーセはマナが最初に降ってきた時に「これは父なる神より与えられしパンである。必要な分だけ集めよ」と述べたとされている。画面中央やや左へ配された岩の上に立つモーセは、父なる神の命によってマナを黄金の瓶から大地へと降り注ぐ天使に対して両手を広げており、モーセの神々しい姿はこの奇積を象徴しているかのようである。画面下部では、大人数のイスラエルの民が父なる神によって齎された大いなる恵みを身を屈めながら必死に拾い集めている。強烈な光と深い陰影など明暗対比がやや強調された、画家の作品としては多少重々しさを感じる表現であるものの、本作の大画面構成による複雑な群衆描写や感情性の豊かな激しい運動性は白眉の出来栄えであり、今も高き信仰心と共に観る者を魅了し続けている。また色彩表現においても赤色、青色、黄色、緑色と画面栄えする原色を用いながら、多様な中間色と輝くような白色を絶妙に配置することによって見事な統一性を生み出している。また遠景の山々と黄色に染まる空の幻想的な表現も特筆に値する出来栄えである。


【全体図】
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天使に対して両手を掲げるモーセの姿。ブレーシア県ヴェロラヌオーヴァのサン・ロレンツォ聖堂に収められる本作は、同地の執政官G・F・ガンバーラの依頼によって制作された祭壇画作品で、主題に≪マナの収集≫が描かれている。



【天使に対して両手を掲げるモーセ】
マナを拾い集めるイスラエルの民。本作の主題≪マナの収集≫は、約束の地カナンを求め荒野を進むイスラエルの民に、父なる神が霜のような薄く小さな円形のマナを、約束の地カナンへ辿り付くまでの40年間天から降らせてたとする逸話である。



【マナを拾い集めるイスラエルの民】
マナを大地へと降り注ぐ天使の姿。強烈な光と深い陰影など明暗対比がやや強調された、画家の作品としては多少重々しさを感じる表現であるものの、本作の大画面構成による複雑な群衆描写や感情性の豊かな激しい運動性は白眉の出来栄えであり、今も高き信仰心と共に観る者を魅了し続けている。



【マナを大地へと降り注ぐ天使の姿】

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