2009/04/24掲載
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ペストからエステを救う聖テクラ1758-59年(Saint Tecla interceling for plague-Stricken) 675×390cm | 油彩・画布 | エステ大聖堂
父なる神の降臨を一心に見つめる聖テクラ。エステ大聖堂の祭壇装飾画として制作された本作は、エステ地方で猛威を振るったペスト病の患者を介抱しながら父なる神に疫病を退けるよう祈りを捧げる(同地方で信仰されていた1世紀の処女殉教者)≪聖テクラ≫を描いた作品である。
【父なる神を一心に見つめる聖テクラ】
天使らを伴いながら天上から降臨する父なる神。本作で最も注目すべき点は宗教的主題に対する劇的かつ格調の高い表現と、深刻な場面描写による深い精神的表現にあり、特に画面右下の死した母親と娘の姿や、対角線上に配される聖テクラと父なる神との奇跡的対面は宗教画としての精神的感情性を見事に表現している。
【天上から降臨する父なる神】
ペストに倒れた母親と傍らで泣く子供。画面右側には無念にもペストに倒れ天に召された女性が描かれているが、その傍らで(おそらくは娘であろう)幼い少女が母親に縋りつきながら涙を流す姿は、観る者の心を掻き乱すほどの悲痛に満ちている。
【ペストに倒れた母親と傍らで泣く子供】 |