2008/12/18掲載
■
白い部屋(ル・カンネ)(Intérieur blanc) 1932年109×156.5cm | 油彩・画布 | グルノーブル美術館 微妙に色彩が変化する白色のドア。本作は、国際映画祭の開催地としても名高いカンヌの入り江を眺望できるル・カンネと呼ばれた丘の上に建つ邸宅≪ル・ボスケ≫の一室の情景を描いた作品である。
【微妙に色彩が変化する白色のドア】 無秩序に置かれる色鮮やかな食器類。無彩色(本作では名称ともなっている白色)を主色に広がる、輝きと光に満ちた無数の色彩の混沌とした表現は、本作のみならず、この時代(1930年代)の大きな特徴である。
【無秩序に置かれる色鮮やかな食器類】 まるで異世界のような窓の外の黄昏風景。画面左側には緑色が映える球形の花瓶に活けられた植物が置かれており、そこから右側へ視線を向けると唐突な空間的開放を感じさせる開かれたドアと、フランス窓の奥の、まるで異世界のような風景が目に飛び込んでくる。
【異世界のような窓の外の黄昏風景】 |