2009/03/23掲載
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午睡(La Sieste) 1899-1900年109×132cm | 油彩・画布 | ヴィクトリア国立美術館 関連:オルセー美術館所蔵 『けだるさ』
ベッドの上で眠る裸婦の姿。画面の中央へほぼ水平に配される、あからさまに性的行為後を連想させる乱れたベッドの上の裸婦は、全身を脱力させながらうつ伏せに横たわりながら眠りについており、そのあられもない姿には否が応にも親密な男性の存在を感じさせる。
【ベッドの上で眠る裸婦の姿】
緩やかな曲線が特徴的な裸婦の臀部。裸婦の極めてエロティックな姿態は、ルーヴル美術館に所蔵される彫像≪まどろむヘルマフロディトス≫に典拠を得たものであるが、そこには自然主義的な思想や表現が顕著に表れている。
【緩やかな曲線が特徴的な裸婦の臀部】 あからさまに性的行為後を連想させる乱れたベッドの上。腰から臀部にかけて当てられる鮮烈でありながら柔和性をも感じさせる光彩の描写と、上半身部分の深い陰影表現には閉ざされた空間(室内)ならではの密接的な印象を観る者に与える。
【乱れたベッドの上】
画面下部に描き込まれる一匹の犬。波打つかのような裸婦の緩やかな曲線や寝具の厚ぼったい皺の描写に画家の客観性と鋭い観察眼が示されるほか、頭部近くの机の上に置かれる雑貨に親密派たる日常性も感じることができる。
【画面下部に描き込まれる一匹の犬】 |