2008/09/17掲載
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田園交響曲(田舎)(La Symphonie pastorale) 1916-20年130×160cm | 油彩・画布 | ベルネーム=ジュヌ・コレクション 関連:シカゴ美術研究所所蔵 『地上の楽園』
牡鹿の角を触るふたりの女性。画面右側前景に描かれる女性2人と牡鹿の姿は、自然と観る者に古代的な神話主題『ディアナとアクタイオン(女神ディアナの水浴姿を目撃してしまったアクタイオンが怒り狂ったディアナに牡鹿へと姿を変えられてしまうという逸話)』を連想させる。
【牡鹿の角を触るふたりの女性】
桃色の色彩で表現される雌牛。本作は画商ベルネーム・ジュヌ家がパリに所有するアパルトマンの装飾パネル4連作品の中の1点で、この装飾パネルは本作『田園交響曲』と『地中海』『地上の楽園』『グランド・ジャット島の労働者たち』から構成される。
【桃色の色彩で表現される雌牛】
開放感に溢れた幻想的な風景。本作の強烈で鮮明な色彩による理想郷的な風景表現と場面構成は、アダムとエヴァを連想させる『地上の楽園』と共にボナールの古典的要素を含んだ作品展開におけるひとつの頂点を示している。
【開放感に溢れた幻想的な風景】 |