2008/12/01掲載
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化粧(鏡の前の裸婦)(La toilette (Nu au miroir)) 1931年153.5×104cm | 油彩・画布 | ヴェネツィア近代美術館 関連:1914年制作 『化粧』
若々しい妻マルトの官能的な姿。画面中央へは、現実には老いていたものの、作品中では瑞々しく官能的な若い女性の姿で裸体を露にしながら鏡の前にヒールを履きながら立つ妻マルトの後ろ姿(全身像)が配されている。
【若々しい妻マルトの官能的な姿】
柔らかい陽光に照らされ白く輝く妻マルトの背中。室内へと射し込む柔らかい陽光を背に浴びるマルトの背中はまるで彼女の美しさを称えるかのように白く輝いており、裸婦としての日常的な官能性を強調している。
【白く輝く妻マルトの背中】
鏡に映り込んだ室内の様子。1914年にもボナールは同主題の作品『化粧』を制作しているが、本作と比較すると明らかに様式的な変化を見出すことができ、画家の晩年の大きな特徴である、所謂≪時代遅れ≫と呼ばれる様式の典型的な作品としてもよく知られている。
【鏡に映り込んだ室内の様子】 |