2008/11/13掲載
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木の葉に埋もれたはしご(L'échelle dans le feuillage)1892年 | 235×172cm | 油彩・画布 | プリウレ美術館
梯子を登る女性の遠くを見る視線。本作では複数の女性らが木々に掛けられる梯子に登る姿が描かれているが、天井装飾として考えられていたことを考えると、この見上げる視点は上昇感や浮遊的効果を生み出していることがよくわかる。
【梯子を登る女性の遠くを見る視線】
アラベスク文様の木の葉。制限的な色彩によるアラベスク文様(イスラム美術にみられる独自的な唐草模様)風に表現された木の葉の幾何学的で装飾性豊かな描写や、その間から覗く白い雲がかかった空の寂静的な描写も大いに注目すべきである。
【アラベスク文様の木の葉】
木々の葉の間から覗く寂静的な空。本作は裕福な資産家であり熱心な絵画収集家としても知られていたアンリ・ルロルの依頼により制作された作品で、原題では『天井装飾のための詩情に満ちたアラベスク文様』と呼ばれている。
【木々の葉の間から覗く寂静的な空】 |