2008/09/19掲載
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ミューズたち(ムーサたち、公園、樹の下で)(Les Muses) 1893年 171.5×137.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)
椅子に腰掛け静かに鉛筆を削るミューズ。9人のミューズらは全て画家の愛妻マルトをモデルに描かれているが、本作で描かれる4つの集団に分けられたミューズたちは古典絵画のような神話的な衣服を身に纏う姿ではなく、現代的で様式化された衣服を身に着けている。
【静かに鉛筆を削るミューズ】 明確な輪郭線で囲まれた対象の内部へ、平面的かつ装飾的な色彩を乗せる手法。これは画家が芸術雑誌「芸術と批評(アール・エ・クリティック)」へ寄稿した論文に記される「絵画とは本質的には一定の秩序の上に集められた色彩で覆われる平面である」の実践的展開である。
【明確な輪郭線で囲まれた対象】 極めて様式化された装飾性豊かな栃の木(マロニエ)の葉。この独自的な表現や、柔らかい曲線で流々と描かれるミューズらと太く垂直に伸びる樹の幹の安定的な展開との絶妙な対比などは、ドニの芸術思想の典型例として広く知られている。
【様式化された装飾性豊かな栃の葉】 |