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エジプトへの逃避のある風景 1604年頃
(Paesaggio con la fuga in Egitto)
122×230cm | 油彩・画布 | ドーリア・パンフィーリ美術館 |
イタリア・バロックにおける古典的様式の始祖アンニーバレ・カラッチが描いた理想的風景画の代表作『エジプトへの逃避のある風景』。アルドブランディーニ枢機卿の依頼により、扉上部の飾りとして描かれた本作は、ユダヤ王ヘデロが命じたベツレヘムの全ての幼児殺害から逃れる為に聖母マリアと幼子イエス、夫の聖ヨセフがエジプトへと逃避する場面≪エジプトへの逃避≫を理想による風景画として描いたもので、アンニーバレ・カラッチ晩年期のメランコリックな雰囲気と左右対称の形状に近い構図が大きな特徴で、それは同時に巨匠ニコラ・プッサンが描くシンメトリックな風景を予感させるものであった。また同美術館所蔵の『キリストの十字架降下がある風景』は本作と対を為す作品。
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