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ヤコブの夢 (Suerio de Jacob) 1639年
179×233cm | 油彩・画布 | プラド美術館(マドリッド) |
強烈な光彩による厳しい明暗法を主体とした写実的描写が主流であったホセ・デ・リベラが、明瞭な背景と力強い筆跡による大胆な構図が取り入れ、独自の世界と様式を確立した1630年代の傑作『ヤコブの夢』。本作の主題は、旧約聖書から父イサク騙し、兄エサウの相続権を母リベカと共に奪ったが、激怒した兄エサウの復讐を恐れ逃げ出した道中に天使から啓示を受ける場面を描いた≪ヤコブの夢≫で、厳しい明暗を用いながらも思想的なヤコブの姿と、幻想性を見出した光の表現は、リベラのみならず、後のスペイン美術にも多大な影響を与えた。
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