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ピーテル・パウル・ルーベンス (Rubens,Peter Paul)
2006/01/01掲載
【全体図】
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■
エレーヌ・フールマン(毛皮さん・小さな毛皮)
(Helene Fourment (Het Pelsken)) 1631年頃
176×83cm | 油彩・板 | ウィーン美術史美術館
ルーベンスが私的に描いたとされる作品であり、画家の全作品中、最も愛されている傑作『エレーヌ・フールマン』。毛皮さん、小さな毛皮とも呼ばれる本作は、1626年最初の妻イザベラ・ブラントが死去し失意に暮れるルーベンスが新たに出会った友人
シュザンヌ・フールマン
の妹で、1630年に挙式した若々しい二番目の妻エレーヌ・フールマンを描いた作品である。本作は画家の死後、売却することを禁止され妻エレーヌ・フールマンに寄与されるようルーベンス自身が遺言に書き残していたことからもルーベンスにとって特別な作品であることが示されているが、注目すべきは、この見事なまでの美しさを秘める裸体の表現にある。近年まで本作は妻エレーヌ・フールマンの入浴直後か、アトリエでの休憩中を即興的に描いた裸婦像であると考えられていたが、研究が進み、現在は古代ローマの彫刻≪
メディチのウェヌス(慎みのウェヌス)
≫と、ルーベンス自身も模写をおこなった
ルネサンス
の巨匠
ティツィアーノ
の≪
毛皮のコートをまとう婦人
≫を典拠とした美の女神ヴィーナス(ウェヌス)の姿を妻エレーヌ・フールマンをモデルに描いた作品であるとされている。また暗い背景であることから室内を描いたものとされてきたが、背景には微かに獅子頭の噴水と空が描かれていることが判明している。
関連:
『メディチのウェヌス(慎みのウェヌス)』
関連:
『毛皮のコートをまとう婦人』
【エレーヌ・フールマンをモデルに描いた】
妻エレーヌ・フールマンをモデルに描いた美の女神ヴィーナスの姿。本作は友人
シュザンヌ・フールマン
の妹であり、1630年に挙式した画家の若々しい二番目の妻≪エレーヌ・フールマン≫を描いた作品で、ルーベンスが私的に描いたとされている。
【官能的な美の女神ヴィーナスの裸体】
滑らかで官能的な美の女神ヴィーナスの裸体。画家が53歳の時に再婚したとき妻エレーヌ・フールマンはわずか16歳であり、ルーベンスはこの若々しい妻に強い霊感と性欲を受けていたことが数々の作品に示されている。
【身に纏う毛皮で裏打ちしたコート】
『ヘット・ペルスケン(毛皮さん、小さな毛皮)』とも呼ばれる所以となった、身に纏う毛皮で裏打ちしたコート。この表現は、古代ローマの彫刻≪
メディチのウェヌス(慎みのウェヌス)
≫と、ルーベンス自身も模写をおこなったルネサンスの巨匠
ティツィアーノ
の≪
毛皮のコートをまとう婦人
≫を典拠としている。
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