Description of a work (作品の解説)
2007/02/04掲載
Work figure (作品図)
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合奏

 (Concert)
1665-66年頃 | 69.2×62.8cm | 油彩・画布
イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館(ボストン)

17世紀オランダを代表する画家ヨハネス・フェルメールの傑作『合奏』。本作は(複数で)奏楽するという内容や、黄色の衣服を纏う女性や杖を持つ男、二枚の画中画、鍵盤楽器、床に置かれたコントラバス、机上に掛けられるタペスリーなど構成要素、画面サイズに類似点が数多く認められることから、画家が1662-1665年頃に手がけた『ヴァージナルの前の二人(音楽の稽古)』と対画であると推測もされていたが、現在では研究が進み、おそらく、その数年後の1665-66年頃に制作されたと考えられている。本作は黄色の衣服の女性のスカートに示される誇張気味で鋭角的な質感表現など画家の簡略化をみせてゆく技巧的変化が表れた初期の作品として注目度は高い。しかし本作は1990年3月に所蔵先であるボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館で警察官に扮した2名の(おそらく美術品専門ではない)強盗により盗難され、2007年2月4日現在も行方不明であり、元々良好ではなかった状態の悪化などが懸念されている。なお本作に描かれる2枚の画中画について、右側はデュルク・ファン・バビューレン作『取りもち女(遣り手婆)』と、左側はヤコブ・ファン・ライスダール近辺の画家の風景画と推測される。

関連:『ヴァージナルの前の二人(音楽の稽古)』


【全体図】
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鍵盤楽器を弾く女性。本作は1990年3月に所蔵先であるボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館で警察官に扮した2名の(おそらく美術品専門ではない)強盗により盗難され、現在も行方不明であり、元々良好ではなかった状態の悪化などが懸念されている。



【鍵盤楽器を弾く女性】
誇張気味で鋭角的な衣服の質感表現。本作は黄色の衣服の女性のスカートに示される誇張気味で鋭角的な質感表現など画家の簡略化をみせてゆく技巧的変化が表れた初期の作品として注目度や重要度は高い。



【誇張気味で鋭角的な衣服の質感表現】
ヴァージナルの前の二人(音楽の稽古)』と類似点が多い構成要素。本作は(複数で)奏楽するという内容や、黄色の衣服を纏う女性や杖を持つ男、二枚の画中画、鍵盤楽器、床に置かれたコントラバス、机上に掛けられるタペスリーなど構成要素、画面サイズに類似点が数多く認められることから、『ヴァージナルの前の二人(音楽の稽古)』と対画であると推測もされていた。



音楽の稽古と類似点が多い構成要素】

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