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homeページCollection常設展示バロック美術スルバラン (Zurbaran,Francisco de)
Work figure (作品図)
Description of a work (作品の解説) 2006/02/24掲載
【全体図】
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聖グレゴリウス (San Gregory) 1626-1627年頃
198×125cm | 油彩・画布 | セビーリャ美術館

スルバランが初期セビーリャ時代に手がけた代表的な聖人像作品のひとつ『聖グレゴリウス』。本作はドミニコ会修道院サン・パブロ・エル・レアール聖堂のために制作された17点の聖人肖像のうちのひとつで、ラテン教会四大教父のひとりで第64代教皇としても知られる聖グレゴリウスの単身を描いたものである。本作で示される実直な写実主義にパチェーコの影響下にあった若きベラスケスの影響も感じられるも、静謐で簡素な図像に計算された光彩と配色、鋭い輪郭線による人物が持った精神性の表現などスルバランの豊かな才能を見出すことができる。本作のほか聖ヒエロニムス、聖アウグスティヌスなど代表例を含む合計17点もの連作的聖人肖像の完成によって、当時、スペインで最も重要な貿易街のひとつであったセビーリャでの名声と成功を得るに至った。貴族出身の聖グレゴリウスはローマの執政官を経て聖ベネディクト会に入り修道の生活を送った後、助祭、そして教皇に選定され機構改革や、寛容と慈悲の教え、奴隷廃止、戦争防止、聖職者の独身制などを規定するほか、グレゴリオ聖歌と呼ばれる教会音楽を集成したことでも知られている。


【ラテン教会四大教父の聖グレゴリウス】
ラテン教会四大教父のひとり聖グレゴリウス。第64代教皇としても知られる聖グレゴリウスには、毎夕おこなわれた12人の貧者との食事の時に天使(招かざる客)が現れたといわれる奇蹟や、聖人が執筆中に肩へ聖霊が止まるのを助祭が目撃したとの逸話が残るほか、ダンテの『神曲』では煉獄で苦しむ人々を救う者として取り上げられている。

【深い明暗対比で示される独自の写実性】
深い明暗対比で示されるセビーリャ派独自の写実性。本作はドミニコ会修道院サン・パブロ・エル・レアール聖堂のために制作された17点の聖人肖像のうちのひとつである本作で示される実直な写実主義にパチェーコの影響下にあった若きベラスケスの影響も感じられるも、静謐で簡素な図像に計算された光彩と配色、鋭い輪郭線による人物が持った精神性の表現などスルバランの豊かな才能を見出すことができる。

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