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ル・ナン(ル・ナン三兄弟) (Le Nain (Antoine, Louis, Mathieu))
2007/07/24掲載
【全体図】
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羊飼いの礼拝(キリストの降誕)
(Adoration des bergers (Nativité)) 1630-31年
287×140cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
17世紀のフランス古典主義を代表する画家兄弟ル・ナン三兄弟の名作『羊飼いの礼拝(キリストの降誕)』。本作は当時パリに滞在していたスペイン大使ドン・アントニオ・ピメンテル・バロッソ・デ・ロベーラの依頼によりプティ=ゾギュスタン修道院聖母礼拝堂の装飾画として制作された≪聖母の生涯≫を画題とした6作品の中の1点で、主題は神の子イエスを宿す聖なる器として父なる神より選定され、大天使ガブリエルから聖胎したことを告げられた聖母マリアがベツレヘムの厩で神の子イエスを産んだ後、未来のユダヤの王である神の子イエスの降誕を大天使によって告げられた羊飼いたちがベツレヘムの厩へ赴き、その未来の王たる神の子の降誕を礼拝する場面≪羊飼いの礼拝(キリストの降誕)≫が描かれている。様式的特徴から、おそらくアントワーヌ及びマチュウが主となり制作された本作では画家の大きな特徴である、柔和ながらやや明暗対比の強い光の描写による登場人物や主題の深い精神性の表現が、画家が手がけた数多くの宗教画の中でも特に秀逸の出来栄えを示している。また本作から感じられる静謐で人間味に溢れた場面描写も注目に値する。画面中央やや下部に配される降誕した幼子イエスを中心に聖母マリアやマリアの母アンナ、羊飼いらが敬い慈しむかのように神の子を見つめている。また画面上部には神の子イエスの降誕を祝福する天使らが配されており、本作の宗教画としての役割をより強調している。なお本作から約10年後の1640年頃に制作された同主題の作品『
羊飼いの礼拝
』がロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
関連:
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵 『羊飼いの礼拝』
【画面中央下部に配された幼子イエス】
画面中央やや下部に配される降誕した幼子イエス。おそらく本作は当時パリに滞在していたスペイン大使ドン・アントニオ・ピメンテル・バロッソ・デ・ロベーラの依頼によりプティ=ゾギュスタン修道院聖母礼拝堂の装飾画として制作された≪聖母の生涯≫を画題とした6作品の中の1点と推測されている。
【イエスを見つめる聖母マリアとアンナ】
神の子イエスを見つめる聖母マリアとマリアの母アンナ。本作に描かれる主題は未来のユダヤの王である神の子イエスの降誕を大天使によって告げられた羊飼いたちがベツレヘムの厩へ赴き、その未来の王たる神の子の降誕を礼拝する場面≪羊飼いの礼拝(キリストの降誕)≫である。
【神の子イエスの降誕を祝福する天使ら】
神の子イエスの降誕を祝福する天使ら。柔和ながらやや明暗対比の強い光の描写による登場人物や主題の深い精神性の表現が、画家が手がけた数多くの宗教画の中でも特に秀逸の出来栄えを示しているほか、本作から感じられる静謐で人間味に溢れた場面描写も注目に値する。
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