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ル・ナン(ル・ナン三兄弟) (Le Nain (Antoine, Louis, Mathieu))
2007/04/30掲載
【全体図】
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喫煙所(衛兵詰め所)
(Tabagie (The Guard Room))
1643年 | 117×137cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
17世紀フランス古典主義の画家ル・ナン三兄弟作『喫煙所(衛兵詰め所)』。本作は、国内各所に置かれていた≪喫煙所≫又は≪衛兵詰め所≫と、そこに集う(又は滞在する)人々の姿を描いた、集団的肖像画の側面が非常に強い作品である。さらに夜景の中に肖像画を、それも集団の肖像画を描くという(当時としては)難易度の高い挑戦的な作品でもある本作では、おそらくは衛兵であろう男たちが朱色の刺繍が施された掛布が掛けられる円卓を囲みながら、喫煙を楽しんでいる。本作での光源は円卓上の一本の背の高い蝋燭のみであるが、その強い光が夜景の中を晧々と照らし、男らの顔や身体に強い陰影を生み出している。これらの効果的な光の使用によって、風俗的要素の強い集団肖像画に深い心情的表現を与えることに成功しているが、ほぼ平行に配される大部分の登場人物らの頭部が絶妙な構図的安定感と穏健な雰囲気をもたらし、行過ぎた心情的(又は思想的)表現へ陥るのを緩和している。また画面左部分の黒人の少年(又は青年)の従者や、入り口の手前で腰を下ろす男の後姿など、同時の主従関係や日常的感覚を示す描写が各所に描かれることも注目に値する。
【強い陰影を生み出す蝋燭の光】
男らの顔や身体に強い陰影を生み出す蝋燭の光。本作は、国内各所に置かれていた≪喫煙所≫又は≪衛兵詰め所≫と、そこに集う(又は滞在する)人々の姿を描いた、夜景の中に集団の肖像画を描くという(当時としては)難易度の高い挑戦的な作品である。
【喫煙を楽しむ男】
喫煙を楽しむ男。おそらくは衛兵であろう男たちが朱色の刺繍が施された掛布が掛けられる円卓を囲みながら、喫煙を楽しんでいる。本作での光源は円卓上の一本の背の高い蝋燭のみであるが、その強い光が夜景の中を晧々と照らし、男らの顔や身体に強い陰影を生み出している。
【円卓にもたれ掛かりうたたねをする男】
円卓にもたれ掛かりうたたねをする男。効果的な光の使用によって、風俗的要素の強い集団肖像画に深い心情的表現を与えることに成功しているが、ほぼ平行に配される大部分の登場人物らの頭部が絶妙な構図的安定感と穏健な雰囲気をもたらし、行過ぎた心情的(又は思想的)表現へ陥るのを緩和している。
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