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マナの収集(砂漠でマナを集めるイスラエル人たち)
(La manne ou Les Israelites recueillant laManne dans le désert)
1637-39年 | 149×200cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館 |
旧約聖書出エジプト記より『マナの収集』を主題とした、古典主義の画家プッサンの代表作。エジプトから故郷へ逃れる旅の途中、荒野を進むモーセの一行(イスラエル民族)は酷い飢餓に襲われるが、神がマナと呼ばれる薄い鱗(うろこ)上の食物を天から降らし(天の恵み)人々を救った、その一場面を描いた。この≪マナ≫が神からの食物であることを示すように、エジプトに生まれたユダヤの指導者で立法者のモーセの指はは天の方向を指している。エジプトで窮状に陥っていたイスラエル民族はモーセ導きでエジプトを脱出し、40年の荒野放浪の後、約束の地カナンへ辿り付いた。また放浪の間、シナイ山でモーセが十戒を授かり、ヤハウェ(旧約聖書での神の名)とイスラエル人との「契約」を仲介したとされ、本作に示される登場人物らの的確な心理描写は後世の画家らの規範となった。
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