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ランブール兄弟(ポール、ジャン、エルマン・ド)
Limbourg, les frères de, (Pol,Jean,Herman)
14世紀後期 | フランス | 国際ゴシック・写本装飾師
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15世紀初め、パリやベリー地方で活躍した写本装飾師の三兄弟。豊かで明瞭な色彩や複雑に配される量感に富んだ人物、奥行きを感じさせる空間構成など14世紀イタリアのトスカーナの画家らの影響を色濃く反映した写本装飾は、現在も世界で最も美しい本と称される。兄弟の生涯の詳細は不明であるが、オランダ東部のヘルダーランドで彫刻家の父の下に生まれ(長兄ポール・ド・ランブールはおそらく1385年頃に生まれたと推測される)、父やブルゴーニュの宮廷画家であった叔父ジャン・マルエルらの影響によって写本装飾師の道を進んだと考えられる。1402年から二年間ブルゴーニュ公フィリップ豪胆公の依頼で『寓意注解聖書』の挿絵制作に携わるも、フィリップ豪胆公の死去により未完となる。その後、芸術の庇護者であった非常に裕福な権力者ベリー公ジャンに仕え、『いとも美しき時祷書』や『いとも豪華なる時祷書』など代表作を手がけるも、ペストによってベリー公とランブール兄弟が死去したために『いとも豪華なる時祷書』は未完に終わる。
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