Description of a work (作品の解説)
2007/10/10掲載
Work figure (作品図)
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青い肘掛け椅子の上の少女


(Little Girl in a Blue Armchair) 1878年
89×129.6cm | 油彩・画布 | National Gallery (Washington)

アメリカ出身の印象主義の女流画家メアリー・カサットの代表作『青い肘掛け椅子の上の少女』。パリ万国博覧会内のアメリカ部門への出品を要請するも、拒否された逸話でも知られている本作に描かれるのは、印象派の巨匠エドガー・ドガの友人の子供をモデルに青い肘掛け椅子の上でくつろぐ少女の姿である。本作はカサット自身のほか、背景の描写に画家が強く影響を受けたドガの手が入っており、カサットの作品としては些か珍しい作品に分類される。椅子の上で退屈そう(不機嫌にも見える)に座る少女は片腕を頭に置きながら、奔放に足を伸ばしている。この少女の自然体な姿は日常生活への画家の高い関心と類稀な観察眼を顕著に示すものであり、本作の中でも特筆すべき点のひとつである。また筆使いの点や空間構成においても、ドガの痕跡をやや大ぶりで画面内を自由に動く筆跡や、非対称で整列性の無い傾きを感じさせる椅子などの配置に、本作の特徴を見出すことができる。これら一見するとだらしなくも感じられる少女の姿や乱用な筆触から、本作は万国博覧会での展示が許可されなかったと現在では考えられている。しかしながらモデルの少女の特異なポーズや日常への鋭い視点など本作からひしひしと感じられる現代性は、今なお色褪せることなく、観る者の心を動かし続けるのである。


【全体図】
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退屈そう(不機嫌にも見える)に椅子に座る少女。パリ万国博覧会内のアメリカ部門への出品を要請するも、拒否された逸話でも知られている本作に描かれるのは、印象派の巨匠エドガー・ドガの友人の子供をモデルに青い肘掛け椅子の上でくつろぐ少女の姿である。



【退屈そうに椅子に座る少女】
奔放に伸ばされる少女の足。『青い肘掛け椅子の上の少女』と呼ばれる本作はカサット自身のほか、背景の描写に画家が強く影響を受けたドガの手が入っており、カサットの作品としては些か珍しい作品に分類される。



【奔放に伸ばされる少女の足】
椅子の上で丸くなる愛犬。一見するとだらしなくも感じられる少女の姿や乱用な筆触から、本作は万国博覧会での展示が許可されなかったと現在では考えられているが、本作からひしひしと感じられる現代性は、今なお色褪せることなく、観る者の心を動かし続けるのである。



【椅子の上で丸くなる愛犬】

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