Description of a work (作品の解説)
2009/08/20掲載
Work figure (作品図)
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ゴーギャンの家の広間(カルセル街の画家の室内)


(Intérieur du Peintre a Paris, rue Carcel) 1881年
130.5×162.5cm | 油彩・画布 | オスロ国立美術館

近代絵画におけるひとつの表現様式の確立者ポール・ゴーギャン初期の重要な作例のひとつ『ゴーギャンの家の広間(カルセル街の画家の室内)』。ゴーギャンが株式仲買商ベルタンの店で仲買人として経済的成功を収める中、日曜画家として制作活動をおこなっていた時代に制作された本作は、パリのヴォージラール地区カルセル街の画家の自宅の情景を描いた作品で、1882年に開催された第7回印象派展への出品作としても知られている。印象派を代表する画家エドガー・ドガの影響を随所に感じさせる本作では、前景空間に色彩豊かな花が挿されたガラス製の花瓶が置かれるテーブルと、孤立的な椅子を一脚配し、後景空間にはピアノの前に座る画家の妻メット・ゴーギャンとひとりの男性が描き込まれている。そして中景には屏風的な衝立が配されており、その前後の空間を切断している。結果的に失敗となるものの、妻メットに対して自身の画家としての信念を想いを伝える目的でも制作された本作から強く感じられる心理的緊張感や孤立感は、この情景に相応しいであろう平穏で温かな雰囲気とは正反対であり、観る者へ鮮烈な印象を与えることに成功している。さらに表現手法的には印象派的様式や伝統的な写実性を見出すことができる本作の中景によって空間を意図的に遮断した構成、そして暗く重々しい色彩などは第7回印象派展への出品時、一部の批評家らから大きな注目を集めた。なお本作は1917年まで画家の妻メットが所有していた。


【全体図】
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暗く重々しい色彩で表現される花束。ゴーギャンが株式仲買商ベルタンの店で仲買人として経済的成功を収める中、日曜画家として制作活動をおこなっていた時代に制作された本作は、パリのヴォージラール地区カルセル街の画家の自宅の情景を描いた作品で、1882年に開催された第7回印象派展への出品作としても知られている。



【暗く重々しい色彩で表現される花束】
ピアノの前に座る画家の妻メット。結果的に失敗となるものの、妻メットに対して自身の画家としての信念を想いを伝える目的でも制作された本作から感じられる心理的緊張感や孤立感は、この情景に相応しいであろう平穏で温かな雰囲気とは正反対であり、観る者へ鮮烈な印象を与えることに成功している。



【ピアノの前に座る画家の妻メット】
孤立感が漂う男性の描写。表現手法的には印象派的様式や伝統的な写実性を見出すことができる本作の中景によって空間を意図的に遮断した構成、そして暗く重々しい色彩などは第7回印象派展への出品時、一部の批評家らから大きな注目を集めた。



【孤立感が漂う男性の描写】

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