Description of a work (作品の解説)
2009/07/26掲載
Work figure (作品図)
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ゴーギャンの椅子(本と蝋燭が載っている椅子)


(La fauteuil de Gauguin) 1888年
90.5×72cm | 油彩・画布 | ファン・ゴッホ美術館

後期印象派における孤高の画家フィンセント・ファン・ゴッホ、アルル滞在期の代表作『ゴーギャンの椅子(本と蝋燭が載っている椅子)』。本作はゴッホが南仏アルルで借りた≪黄色い家≫での共同制作に賛同(※ゴッホも熱心に誘っていた)し、同地を訪れた総合主義の創始者≪ポール・ゴーギャン≫が同家で使用していた椅子を画題とした作品で、対画として画家自身が黄色い家で使用していた椅子単体の作品『アルルのゴッホの椅子』も制作されている。画面中央にはやや曲線を強調した木製の椅子が斜めに配されており、座面部分には一本の蝋燭と2冊の小説(表紙から同時代のフランスの小説であると推測されている)が置かれている。そして椅子と同じ木製の床面は、画面左上で輝くランプの光を粒状に反射にある種のテクスチャー的な効果を生み出している。椅子の上に置かれる炎が灯された蝋燭は画家としての人生の光明を、そして儚さを同時に象徴している。またこの蝋燭に炎が灯されている点や壁部分で煌々と室内を照らすライトは本作が夜の場面であることを示しており、昼の場面を描く対画『アルルのゴッホの椅子』との時間的対比を容易に連想させる。また本作において特に注目すべき点として単純ながら効果的な色彩の使用法が挙げられる。画面を構成する色彩の主となる色味は椅子や床面に使用される茶色と、椅子の座面や壁色として使われる緑色であるが、この両色の色彩的対比と、それらを関連・調和させる炎やランプ、小説のカバーに用いられる黄色の絶妙な感覚はゴッホの色彩的才能を如実に感じさせる。

関連:対画 『アルルのゴッホの椅子』


【全体図】
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椅子の上に載せられる蝋燭と小説。椅子の上に置かれる炎が灯された蝋燭は画家としての人生の光明を、そして儚さを同時に象徴している。またこの蝋燭に炎が灯されている点や壁部分で煌々と室内を照らすライトは本作が夜の場面であることを示している。



【椅子の上に載せられる蝋燭と小説】
曲線的な椅子に用いられる茶色。本作はゴッホが南仏アルルで借りた≪黄色い家≫での共同制作に賛同(※ゴッホも熱心に誘っていた)し、同地を訪れた総合主義の創始者≪ポール・ゴーギャン≫が同家で使用していた椅子を画題とした作品である。



【曲線的な椅子に用いられる茶色】
煌々と部屋を照らすランプの光。画面を構成する色彩の主となる色味は椅子や床面に使用される茶色と、椅子の座面や壁色として使われる緑色であるが、この両色の色彩的対比と、それらを関連・調和させる炎やランプ、小説のカバーに用いられる黄色の絶妙な感覚はゴッホの色彩的才能を如実に感じさせる。



【煌々と部屋を照らすランプの光】

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