2009/10/13掲載
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ムーラン・ド・ラ・ギャレット(Le Moulin de la Galette) 1886年 38×46.5cm | 油彩・画布 | ベルリン国立美術館 関連:『ムーラン・ド・ラ・ギャレット、パリ』 荒涼とした風景の中のムーラン・ド・ラ・ギャレット。ゴッホがパリを訪れて半年ほど経過した1886年の10月に制作された本作は、パリの小高い丘の上にあり、現在は有数の観光名所としても名高いモンマルトルの庶民的なキャバレー(ダンスホール)≪ムーラン・ド・ラ・ギャレット≫の風景を描いた作品である。
【荒涼とした風景に描かれるキャバレー】 ムーラン・ド・ラ・ギャレットの前に屯する人々。ゴッホはパリ滞在時に知り合い、よき友人となったアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックらと共にしばしば同キャバレーへ手がけていたことが判明しており、ゴッホ自身にも馴染みのある場所であった。
【キャバレーの前に屯する人々】 風車の付いた粉挽き小屋の屋根。当時のモンマルトルは都市開発の真っ只中にあり、本作で表現される退廃的で重々しく、荒涼とした雰囲気や、質素で貧困的印象は都会的な一面と田舎的な一面が混在した当時のモンマルトルの実態をよく示している。
【風車の付いた粉挽き小屋】 |