Description of a work (作品の解説)
2008/08/27掲載
Work figure (作品図)
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黄色い家(アルルのゴッホの家、ラマルティーヌ広場)


(La maison jaune (La maison de Vincent à Arles)) 1888年
76×94cm | 油彩・画布 | フィンセント・ファン・ゴッホ美術館

後期印象派の偉大なる巨匠フィンセント・ファン・ゴッホ、アルル滞在期を象徴する作品『黄色い家(アルルのゴッホの家、ラマルティーヌ広場)』。本作は友人アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの勧めもあり、1888年2月から南仏プロヴァンスの町アルルでゴッホが他の画家仲間らと共に共同生活をしながら制作活動をおこなう目的で借りた家、通称≪黄色い家≫のある風景を描いた作品で、同年(1888年)の9月に制作された。このアルルでのゴッホの意欲的(希望的)で壮大な計画は、他の画家仲間から賛同を得るには至らず、結局、同時期に総合主義を確立させた(ポン=タヴェン派)の指導者的立場に近かったポール・ゴーギャンのみがブルターニュから参加するのみであった。さらに二人の共同生活はゴーギャンの到着(1888年10月末)から二ヵ月後となる12月の23日に、かの耳切り事件によって悲惨な結末を迎えることとなったが、本作にはゴッホの抱いていたアルルでの制作活動に対する大いなる夢と希望が随所に感じられる。画面中央にはアルルのラマルティーヌ広場に面する黄色い家を始めとした建物群が描かれており、画面下部には街道を行き交う人々が数人配されている。建物群と街道には南仏プロヴァンスの明瞭な光に照らされるかのように輝くような強烈な黄色が用いられており、本作は画面の2/3がこの画家の希望を感じさせる黄色によって支配されている。またそれとは対照的に画面上部(画面の1/3)は鮮やかでやや重々しい青色の空が縦横の筆触によって描かれており、黄色と青色の絶妙な色彩的対比を画面内に生み出している。本作で用いられる黄色こそ画家の生涯を通じて選定された、ゴッホが自身の個性を最も反映することのできた色彩であり、本作や傑作『ひまわり』などを始めとしたアルル時代の作品にはそれらが顕著に示されている。


【全体図】
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本作の名称ともなった≪黄色い家≫などの建物群。本作は友人アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの勧めもあり、1888年2月から南仏プロヴァンスの町アルルでゴッホが他の画家仲間らと共に共同生活をしながら制作活動をおこなう目的で借りた家、通称≪黄色い家≫のある風景を描いた作品である。



【≪黄色い家≫を始めとした建物群】
ラマルティーヌ広場の街道を行き交う人々。本作で用いられる南仏プロヴァンスの明瞭な光に照らされるかのように輝くような強烈な黄色こそ画家の生涯を通じて選定された、ゴッホが自身の個性を最も反映することのできた色彩である。



【広場の街道を行き交う人々】
鮮やかでやや重々しい青色の空。このアルルでのゴッホの意欲的(希望的)で壮大な計画は、他の画家仲間から賛同を得るには至らず、結局、同時期に総合主義を確立させた(ポン=タヴェン派)の指導者的立場に近かったポール・ゴーギャンのみがブルターニュから参加するのみであった。



【鮮やかでやや重々しい青色の空】

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