Description of a work (作品の解説)
2009/08/21掲載
Work figure (作品図)
■ 

日本趣味 : 梅の花


(Japonaiserie : l'arbre (Prunier en fleurs)) 1887年
73×54cm | 油彩・画布 | ファン・ゴッホ美術館

後期印象派の巨匠フィンセント・ファン・ゴッホの日本趣味(ジャポニズム)への強い憧れと傾倒を示す代表的な作例のひとつ『日本趣味 : 梅の花』。本作はゴッホが数多く所持していた日本の浮世絵の中の1点、歌川広重屈指の傑作『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』の模写作品である。19世紀に度々パリで開催された万国博覧会以来、日本の美術様式は『日本趣味(ジャポニズム)』として欧州各地を席巻するほど流行し、その異国情緒を感じさせる雰囲気、斬新な構図、平面的構成による鮮やかな色彩などは他の印象派の画家同様、ゴッホ自身も強く魅了された。知り合いのキュレーター(美術展企画・収集の専門家)のサミュエル・ビングから購入したと考えられている、原図となる歌川広重の『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』に対しては、梅の枝や花を超近景として配するという大胆で奇抜な構図と、赤色から白色、そして(赤色と)補色関係にある緑色へと変化を示す鮮明な色彩に惹かれたのであろうと推測されている。本作は原図にほぼ忠実な模写であるものの、周囲にはオリジナルには存在しない漢字による装飾が施されているが、これは日本趣味的表現の強調として描き込まれたと推測されている。

関連:歌川広重作 『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』


【全体図】
拡大表示
白い梅の花と鮮やかな朱色の背景。本作はゴッホが数多く所持していた日本の浮世絵の中の1点で、江戸時代に活躍した浮世絵師≪歌川広重≫屈指の傑作『名所江戸百景 亀戸梅屋敷』の模写作品である。



【白い梅の花と鮮やかな朱色の背景】
原図同様、花見をおこなう町民たち。ゴッホは日本趣味(ジャポニズム)の特徴である異国情緒を感じさせる雰囲気、斬新な構図、平面的構成による鮮やかな色彩などは他の印象派の画家同様、強く魅了されていた。



【原図同様、花見をおこなう町民たち】
超近景に配される梅の樹木。本作は原図にほぼ忠実な模写であるものの、周囲にはオリジナルには存在しない漢字による装飾が施されているが、これは日本趣味的表現の強調として描き込まれたと推測されている。



【超近景に配される梅の樹木】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ