Description of a work (作品の解説)
2007/04/16掲載
Work figure (作品図)
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すみれのブーケをつけたベルト・モリゾの肖像(黒い帽子のベルト・モリゾ)

 (Berthe Morisot au bouquet de violettes (au chapeau noir)) 1872年
55×38cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派の先駆者エドゥアール・マネが手がけた肖像画の代表作『すみれのブーケをつけたベルト・モリゾの肖像』。『黒い帽子のベルト・モリゾ』とも呼ばれる本作に描かれるのは、マネの良き友人かつ師弟関係にあり、画家の弟ウジェーヌと結婚した印象派を代表する女流画家ベルト・モリゾの単身像で、画家独特の大ぶりな筆触や平面的な画面展開、抑えられた落ち着きのある色彩などが大きな特徴である。ベルト・モリゾがルーヴル美術館で模写をおこなっていた時に、画家の友人アンリ・ファンタン=ラトゥールから同氏を紹介されて以来、マネとベルト・モリゾは親密な交友関係を持つに至り、画家の代表作『バルコニー』を始め、幾度もベルト・モリゾをモデルとして作品を手がけている(ただし弟ウジェーヌとの結婚後はベルト・モリゾをモデルとした作品は描かれていない)。本作はマネが1872年にベルト・モリゾの肖像を描いた4点の作品の中の1点であり、観る者と対峙し、こちらを見つめるベルト・モリゾの魅力的な表情の描写は見事の一言である。またベルト・モリゾの衣服と帽子の黒色は画面の中で圧倒的な存在感を示しているが、この黒色と背景に用いられた灰色が画面の大部分を占めることによって、本作中の色味、つまりベルト・モリゾの顔や頭髪に用いられた明瞭な茶色や肌色、すみれのブーケの控えめな青色が、より洗練された印象を観る者に与えるのである。なお本作は画家の死後、画商であり批評家であったテオドール・デュレが所蔵していたものの、1893年にマネの子孫が買い取り、1998年にオルセー美術館に入った。


【全体図】
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観る者を見つめるベルト・モリゾの視線。本作に描かれるのは、マネの良き友人かつ師弟関係にあり、画家の弟ウジェーヌと結婚した印象派を代表する女流画家ベルト・モリゾの単身像で、画家独特の大ぶりな筆触や平面的な画面展開、抑えられた落ち着きのある色彩などが大きな特徴である。



【観る者を見つめるベルト・モリゾの視線】
衣服と帽子などに用いられた深く多様な黒色。圧倒的な存在感を示す黒色と背景に用いられた灰色が画面の大部分を占めることによって、本作中の色味、つまりベルト・モリゾの顔や頭髪に用いられた明瞭な茶色や肌色、すみれのブーケの控えめな青色が、より洗練された印象を観る者に与えるのである。



【本作に用いられた深く多様な黒色】
慎ましく描かれるすみれのブーケ。マネはベルト・モリゾがルーヴル美術館で模写をおこなっていた時に、画家の友人アンリ・ファンタン=ラトゥールから同氏を紹介されて以来、マネとベルト・モリゾは親密な交友関係を持つに至り、代表作『バルコニー』を始め、幾度もベルト・モリゾをモデルとして作品を手がけている。



【慎ましく描かれるすみれのブーケ】

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