Description of a work (作品の解説)
2007/05/25掲載
Work figure (作品図)
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ラ・グルヌイエール

(La Grenouillère) 1869年
75×100cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館

印象派最大の巨匠クロード・モネ1860年代を代表する作品のひとつ『ラ・グルヌイエール』。本作に描かれるのは実業家スーランが興した、パリに程近いブージヴァル近郊セーヌ河畔の新興行楽地であった水上のカフェのある水浴場≪ラ・グルヌイエール≫で、1869年夏に友人であるルノワールと共に同地へ赴き、画架を並べ描いた作品としても広く知られている。「蛙の棲み処」という意味をもつラ・グルヌイエールの中央には、「植木鉢(又はカマンベール)」と呼ばれた人工の島があり、本作にもその島に集う人々が描かれているほか、画面右部には水上カフェを、画面下部には水上を行き交う小船を確認することができる。この頃(おそらく)サロン入選を目指していたと推測されていたモネとルノワールは当時、ラ・グルヌイエールで水面に反射する陽光の効果と表現の研究に没頭しており、光によって変化する色彩を、画面上に細かい筆触を置くことによって視覚的に混合させる≪筆触分割≫と呼ばれる表現手法を『ラ・グルヌイエール』の製作によって生み出した。このような点から現在では、近代的な画題(本作では新興行楽地ラ・グルヌイエール)を新たな表現手法(筆触分割)で描くという、所謂≪印象主義≫が本作によって誕生したと位置づけられており、画家の作品の中でも特に注目すべき作品のひとつである。なお本作は残される書簡から習作である可能性も指摘されている。

関連:ルノワール作 『ラ・グルヌイエールにて』


【全体図】
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植木鉢(又はカマンベール)と呼ばれた人工の島に集う人々。本作に描かれるのは実業家スーランが興した、パリに程近いブージヴァル近郊セーヌ河畔の新興行楽地であった水上のカフェのある水浴場≪ラ・グルヌイエール≫で、1869年夏に友人であるルノワールと共に同地へ赴き、画架を並べ描いた作品としても広く知られている。



【建造された人工の島に集う人々】
水上のカフェでくつろぐ人々。「蛙の棲み処」という意味をもつラ・グルヌイエールの中央には、「植木鉢(又はカマンベール)」と呼ばれた人工の島があり、本作にもその島に集う人々が描かれているほか、画面右部には水上カフェを、画面下部には水上を行き交う小船を確認することができる。



【水上のカフェでくつろぐ人々】

光によって変化する色彩を、画面上に細かい筆触を置くことによって視覚的に混合させる≪筆触分割≫と呼ばれる表現手法。近代的な画題(本作では新興行楽地ラ・グルヌイエール)を新たな表現手法(筆触分割)で描くという、所謂≪印象主義≫が本作によって誕生したと位置づけられている。



【≪筆触分割≫と呼ばれる表現手法】

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