Description of a work (作品の解説)
2008/03/23掲載
Work figure (作品図)
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積みわら、冬の効果

 (Meules, effet d'hiver) 1891年
65.4×92.1cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館

印象派最大の巨匠のひとりクロード・モネが後年に手がけた有名な連続作品のひとつ『積みわら、冬の効果』。本作は『積みわら、夕陽(積みわら、日没)』同様、画家が1888年頃から手がけ始めたジヴェルニーの≪積みわら≫を描いた一連の作品群の中の一枚で、雪があたり一面を覆う1891年初頭の冬に制作された作品である。本作では陽光が穏やかに雪の積もった大地や画面中央に配される二つの積み藁に反射し、様々な色彩が織り成す光の世界を創り出している。特に逆光的に描かれる積み藁の寒冷的な青色の陰影や、そこへ微かに混じる(桃色などの)暖色などの色彩描写は、画家の瞳を通したジヴェルニーの美しい冬の風景そのものを映し出したかのようである。また背景のうっすらと見えるセーヌ川沿いのポプラ並木(後に画家はポプラ並木を画題とした連作にも取り組んでいる)のおぼろげで幻想的な表現や、素早く荒々しい筆触ながら、大胆さと繊細な性格を併せ持ったモネ独特の筆使いに、画家のこの風景(この情景)の瞬間的な美しさと、それの移りゆく変化を捉えんとする強い意欲が感じられる。なおジヴェルニーの冬の積みわらの情景を描いた本作以外の作品では、アメリカのシャルバーン美術館が所蔵する『積みわら、雪の効果』や、ボストン美術館が所蔵する『積みわら、雪の朝』などが知られている。

関連:シャルバーン美術館所蔵 『積みわら、雪の効果』
関連:ボストン美術館所蔵 『積みわら、雪の朝』


【全体図】
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様々な色彩が織り成す光の世界。本作は『積みわら、夕陽』同様、画家が1888年頃から手がけ始めたジヴェルニーの≪積みわら≫を描いた一連の作品群の中の一枚で、雪があたり一面を覆う1891年初頭の冬に制作された作品である。



【様々な色彩が織り成す光の世界】

地面に落ちる寒冷的な青色の陰影。逆光的に描かれる積み藁の寒冷的な青色の陰影や、そこへ微かに混じる(桃色などの)暖色などの色彩描写は、画家の瞳を通したジヴェルニーの美しい冬の風景そのものを映し出したかのようである。



【地面に落ちる寒冷的な青色の陰影】

おぼろげで幻想的な背景のポプラ並木。このポプラ並木の表現や、素早く荒々しい筆触ながら、大胆さと繊細な性格を併せ持ったモネ独特の筆使いには、画家のこの風景(この情景)の瞬間的な美しさと、それの移りゆく変化を捉えんとする強い意欲が感じられる。



【おぼろげで幻想的な背景のポプラ並木】

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