Description of a work (作品の解説)
2007/11/25掲載
Work figure (作品図)
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アルジャントゥイユのひなげし


(Coquelicots à Argenteuil) 1873年
50×65cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派最大の巨匠クロード・モネ1870年代を代表する作品のひとつ『アルジャントゥイユのひなげし』。印象派の名称の由来となった『印象 -日の出-』と共に、1874年に開催された第一回印象派展に出品された本作は、しばしばルノワールの『草原の坂道(夏の田舎道)』との関連性・類似性が指摘されているよう、夏のアルジャントゥイユ郊外の坂道を日傘を差した母娘らが下ってくる姿を描いた作品である。パリ北西、セーヌ川右岸の街≪アルジャントゥイユ≫各所の風景を(一時的であるが)画家は精力的に画題として取り組んでいたことが知られており、本作はその中でも特に著名な作品のひとつである。画面左部分から画面右下部へと引かれる微かな筋道を通り、一組の母子がひなげしが咲くアルジャントゥイユ郊外の丘を下っている。この薄青色の裏地の日傘を手にした母と、ひなげしを持つ子は、画家の妻であるカミーユと息子ジャンをモデルに描かれた。また丘の上には、これもルノワールの『草原の坂道(夏の田舎道)』同様、もう一組の(おそらく)親子が配されている。本作で最も注目すべき点は、鮮やかで対比的な色彩の使用と、色彩による画面構成である。ほぼ中央から上下に分けられる本画面は、上部が空の青色と雲の白色が、下部がひなげしの赤色と叢の緑黄色がほぼ全面的に支配している。特にひなげしの赤色と空の青色との鮮明な対比関係は観る者に爽快感と強い印象を与えているほか、白色、緑黄色を的確に配置することによって、それらをより効果的に引き立たせている。さらにほぼ水平に背の高い木々や一軒の家屋を連ねて、ほぼ水平線上へ描くことで上下が分離し過ぎず、画面内に統一感を持たせているのである。

関連:ルノワール作 『草原の坂道(夏の田舎道)』


【全体図】
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ひなげしの咲く丘を下る母子。この母子は画家の妻であるカミーユと息子ジャンをモデルに描かれたことが知られているほか、本作は≪アルジャントゥイユ≫各所の風景を(一時的であるが)画家は精力的に画題として取り組んでいた時代の作品の中でも特に著名な作品のひとつである。



【ひなげしの咲く丘を下る母子】

筆触を強く感じさせる赤々としたひなげしの花。ほぼ中央から上下に分けられる本画面は、上部が空の青色と雲の白色が、下部がひなげしの赤色と叢の緑黄色がほぼ全面的に支配しており、特にひなげしの赤色と空の青色との鮮明な対比関係は観る者に爽快感と強い印象を与えている。



【赤々としたひなげしの花】

丘の上に描かれる、もう一組の母子。1874年に開催された第一回印象派展に出品された本作は、しばしばルノワールの『草原の坂道(夏の田舎道)』との関連性・類似性が指摘されているよう、夏のアルジャントゥイユ郊外の坂道を日傘を差した母娘らが下ってくる姿を描いた作品である。



【丘の上に描かれる、もう一組の母子】

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