Description of a work (作品の解説)
2007/04/18掲載
Work figure (作品図)
■ 

緑衣の女性(カミーユの肖像)

1866年
(La femme à la robe verte (Portrait de Camille))
231×151cm | 油彩・画布 | ブレーメン美術館

印象派の巨匠クロード・モネ1860年代の代表作のひとつ『緑衣の女性(カミーユの肖像)』。1866年、サロンに出品され絶賛された本作に描かれるのは、制作当時はまだ結婚していなかったものの、4年後の1870年には画家の妻となった女性≪カミーユ・ドンシュー≫19歳時の全身肖像である。本作は元々サロンに出品するために画家が(エドゥアール・マネ同名の代表作に着想を得て)制作していた『草上の昼食』が6メートル超の大画面であった為に間に合わず断念し、改めてサロン出品作として4日間という短期間で描かれた作品で、小説家であり印象派芸術の擁護者でもあったエミール・ゾラは本作を「此れは紛れも無く、写実主義を超えた、あらゆる細部を描写する繊細な理解者の、男らしい男の作品である」と評した。本作でカミーユがとる頭髪を気にし後ろを振り向く姿勢は、(作品を)観る者に衣服を見せるかのように背面を中心として構成されている。このカミーユの仕草の自然的で流れるような美しさを始め、質の良さを存分に感じさせる緑と黒のスカートの柔らかな質感や豪華な衣服は、シンプルな暗面の背景の中で際立った存在感を示している。なおモネ自身の言葉によると「只のがらくた、気まぐれに描いた作品」としながらも、本作の対画として位置付けている『ラ・ジャポネーズ』を、約10年後の1875から1876年にかけて制作している。

関連:ボストン美術館所蔵 『ラ・ジャポネーズ』


【全体図】
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頭髪を気にし後ろを振り向くカミーユ・ドンシュー。1866年、サロンに出品され絶賛された本作に描かれるのは、制作当時はまだ結婚していなかったものの、4年後の1870年には画家の妻となった女性≪カミーユ・ドンシュー≫19歳時の全身肖像である。



【頭髪を気にし後ろを振り向くカミーユ】

質の良さを存分に感じさせる緑と黒のスカートの柔らかな質感。姿勢は、観る者に衣服を見せるかのように背面を中心として構成されており、カミーユの仕草の自然的で流れるような美しさなどは、暗面の背景の中で際立った存在感を示している。



【緑と黒のスカートの柔らかな質感】

画家が画面右下に記した署名。本作は元々サロンに出品するために画家が制作していた『草上の昼食』が間に合わず断念し、改めてサロン出品作として4日間という短期間で描かれた作品で、小説家エミール・ゾラは本作を「此れは紛れも無く、写実主義を超えた、あらゆる細部を描写する繊細な理解者の、男らしい男の作品である」と評した。



【画家が画面右下に記した署名】

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