Description of a work (作品の解説)
2007/08/26掲載
Work figure (作品図)
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長椅子に寄り掛かる2人の姉妹(ソファーに座る2人の娘)

 (Deux sœurs sur un canapé) 1869年
52×81.3cm | 油彩・画布 | ワシントン・ナショナル・ギャラリー

印象派随一の女流画家ベルト・モリゾ初期の代表作『長椅子に寄り掛かる2人の姉妹(ソファーに座る2人の娘)』。本作は異論もあるが、おそらくはドラローシュ家の二人の娘をモデルに制作されたと大半の研究者が考えている作品で、『ロリアンの小さな港』同様、ベルト・モリゾ1860年代を代表する作品としても広く知られている。本作で双子のように描かれた(モデルと推測される)ドラローシュ姉妹については現在も詳細は不明であり、今なお研究が進められている。本作で最も注目すべき点はベルト・モリゾの描写技法の差異にある。画面左部分に描かれる女性はやや薄塗りで軽やかに描写されているのに対し、画面右部分の女性は絵具の質感を明確に感じさせるほど厚塗りで描写されている。またこの女性はソファーに座るのではなく、その手前に置かれた椅子に座していることも特筆に値する。これらの点から本作を未完成とする研究者も少なくない。さらに本作で正面の壁に掛けられる扇面は印象派を代表する巨匠エドガー・ドガから贈られたものであると伝えられているほか、画面右部分の女性が手にする扇子と共に、当時、欧州を席巻した日本趣味的要素が示された点であることも注目したい。


【全体図】
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薄塗りで描写された女性。本作は異論もあるが、おそらくはドラローシュ家の二人の娘をモデルに制作されたと大半の研究者が考えている作品で、『ロリアンの小さな港』同様、ベルト・モリゾ1860年代を代表する作品としても広く知られている。



【薄塗りで描写された女性】
絵具の質感を明確に感じさせるほど厚塗りで描写された女性。本作で最も注目すべき点はベルト・モリゾの描写技法の差異にあり、画面左部分に描かれる女性はやや薄塗りで軽やかに描写されているのに対し、画面右部分の女性は絵具の質感を明確に感じさせるほど厚塗りで描写されている。



【厚塗りで描写された女性】
ドガから贈られたものであると伝えられる扇面。画面右部分に描かれる女性はソファーに座るのではなく、その手前に置かれた椅子に座しているおり、描写技法の差異やこれらの点から本作を未完成とする研究者も少なくない。



ドガから贈られたものとされる扇面】

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