Description of a work (作品の解説)
2008/01/06掲載
Work figure (作品図)
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庭のウジェーヌ・マネと娘


(Eugène Manet et sa fille au jardin) 1883年
60×73cm | 油彩・画布 | 個人所蔵

印象派を代表する女流画家のひとりベルト・モリゾが夫ウジェーヌ・マネとその娘を描いた代表的な作例のひとつ『庭のウジェーヌ・マネと娘』。本作は二年前に制作された『ブージヴァルの庭のウジェーヌ・マネと娘(田舎にて)』同様、モリゾにとって師以上の存在であり、多大なる影響を受けた印象派の始祖的画家エドゥアール・マネの弟で、1874年に(画家と)結婚したモリゾ最愛の夫ウジェーヌ・マネと、結婚から4年後の1878年、二人の間に生まれた愛娘ジュリーが、夏のブージヴァルのプランセス通り4番地に借りた別荘の庭で遊ぶ姿を描いた作品である。強烈に射し込む陽光の描写とそれによる輝くような反射的効果に重点を置き、その表現に注力しているかのようである。特に娘ジュリーへと当たる陽光の描写は大雑把な筆触ながらも、白い顔や衣服、ブロンドの頭髪に反射する光の眩いばかりの描写は、ジュリーの愛らしさを強調するだけでなく、観る者をこのブージヴァルの庭へと引き込むかのような魅力にも溢れている。また陽光に照らされるウジェーヌ・マネと娘ジュリーは鮮やかに映える草木の中で明快な光に包まれ、その姿は幸福そのものであり、それはそのままモリゾの心情としても受け取ることができる。また表現手法的にも、(画面左上部分の)未完成のような画面処理や、対象が見せる一瞬の動作的・内面的表情を捉えたような、画家独特のデッサン的な荒々しい筆致による闊達な筆捌きは、ますますその業に磨きが掛かっており観る者を圧倒する。


【全体図】
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観者(絵を描くモリゾ)へと視線を向けるウジェーヌ・マネ。本作は1874年に(画家と)結婚したモリゾ最愛の夫ウジェーヌ・マネと、結婚から4年後の1878年、二人の間に生まれた愛娘ジュリーが、夏のブージヴァルのプランセス通り4番地に借りた別荘の庭で遊ぶ姿を描いた作品である。



【観者へと視線を向けるウジェーヌ・マネ】
庭で遊ぶ娘ジュリーの愛らしい姿。娘ジュリーへと当たる陽光の描写は大雑把な筆触ながらも、白い顔や衣服、ブロンドの頭髪に反射する光の眩いばかりの描写は、ジュリーの愛らしさを強調するだけでなく、観る者をこのブージヴァルの庭へと引き込むかのような魅力にも溢れている。



【庭で遊ぶ娘ジュリーの愛らしい姿】
画家独特のデッサン的な荒々しい筆致。陽光に照らされるウジェーヌ・マネと娘ジュリーは鮮やかに映える草木の中で明快な光に包まれ、その姿は幸福そのものであり、それはそのままモリゾの心情としても受け取ることができる。



【画家独特のデッサン的な荒々しい筆致】

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