Description of a work (作品の解説)
2009/04/27掲載
Work figure (作品図)
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フレデリック・バジールの肖像


(Frédéric Bazille peignant à son chevalet) 1867年
105×73.5cm | 油彩・画布 | オルセー美術館(パリ)

印象派随一の画家ピエール=オーギュスト・ルノワール初期の重要な作品のひとつ『フレデリック・バジールの肖像』。本作はルノワールと同じく印象派の初期からその形成に携わっていた同派を代表する画家フレデリック・バジールが画布に向かい作品を制作する姿を描いた肖像画作品で、初期印象派(バティニョール派)の画家たちの交友関係を示す作品としても重要視されている。ルノワールは一時期、比較的裕福であったバジールとアトリエを共有しており、このバジールのアトリエにはルノワールの他にクロード・モネアルフレッド・シスレー、そして彼らより年長であり印象主義の先駆ともなったエドゥアール・マネが度々訪れていたことが知られている。本作の中でバジールは(現在ファーブル美術館に所蔵される)アオサギを画題とした作品を手がけているが、シスレーがこのバジールによるアオサギの作品とほぼ同内容の作品を制作しており、この作品への取り組みはバティニョール派の画家たちの強い共鳴を示す例としての意味も見出すことができる。画面中央にほぼ真横から捉えられるバジールはその大きな体躯を丸く屈めながら作品制作に没頭している。右手には絵筆を、左手には調色板(パレット)を手にするバジールの視線は絵筆の先(制作している作品へ描き込まれるアオサギの胴体)へと向けられており、バジールの作品に対する集中を感じることができる。なおバジールの背後に掛けられる冬景色の作品は現在個人が所蔵するモネの『サン・シメオン農場への道、冬』であることが確認されている。


【全体図】
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作品制作に集中するフレデリック・バジールの姿。本作はルノワールと同じく印象派の初期からその形成に携わっていた同派を代表する画家フレデリック・バジールが画布に向かい作品を制作する姿を描いた肖像画作品である。



【作品制作に集中するバジールの姿】
丸く屈められたバジールの大きな背中。ルノワールは一時期、比較的裕福であったバジールとアトリエを共有しており、このバジールのアトリエにはルノワールの他にモネシスレー、そして彼らより年長であり印象主義の先駆ともなったマネが度々訪れていたことが知られている。



【丸く屈められたバジールの大きな背中】
バジールが本作中で取り組む画題のアオサギ。本作の中でバジールはアオサギを画題とした作品を手がけているが、シスレーがこの作品とほぼ同内容の作品を制作しており、この作品への取り組みはバティニョール派の画家たちの強い共鳴を示す例としての意味も見出すことができる。



【バジールが本作中で取り組むアオサギ】

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