Description of a work (作品の解説)
2007/07/29掲載
Work figure (作品図)
■ 

シャルパンティエ夫人とその子供たち


(Georges Charpentier et ses enfants) 1878年
153×189cm | 油彩・画布 | メトロポリタン美術館

印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールが手がけた代表的な肖像画作品のひとつ『シャルパンティエ夫人とその子供たち』。1879年のサロン(官展)の入選作でもある本作は、後にルノワールの有力な支援者となった、若き著名な出版事業者ジョルジュ・シャルパンティエの夫人で、美術、特に印象主義に大きな関心を寄せていたマルグリット・ルモニエとその子供らを描いた肖像画で、流行していた社交界的な肖像表現に則しながらも、暖かみのある暖色を多用した家族的な雰囲気が特徴的である。当時絵が売れず貧困に苦しんでいたルノワールにとって、ジョルジュ・シャルパンティエとの出会いや夫人マルグリットのサロンへの出入り、そして本作の成功は重要な出来事であり、夫人は本作を大変気に入り、官展での評価を強く推し、画家の画壇での出世作となったほか、この夫人が催す華やかなサロンの場では当時の政治家や官展画家、文筆家、女優など様々な人々と出会うきっかけともなった。ルノワール独特のやや大ぶりで闊達な筆触による夫人や、ニューファンドランド犬(もしくはセントバーナード)の上に腰を下ろす姉ジョルジェット、その間で椅子に座る弟ポールら子供たちの描写は、非常に繊細かつ優美であり、観る者に幸福で家庭的な温もりを感じさせる。また当時欧州を席巻していたジャポニズム的な部屋の家具や装飾などを始めとする部屋内の雰囲気や色彩は当時「ティツィアーノに匹敵する」と評されたよう、多様で豊潤な美しさを備えている。


【全体図】
拡大表示
子供たちを暖かく見つめるシャルパンティエ夫人。1879年のサロン(官展)の入選作でもある本作は、後にルノワールの有力な支援者となった、若き著名な出版事業者ジョルジュ・シャルパンティエの夫人で、美術、特に印象主義に大きな関心を寄せていたマルグリット・ルモニエとその子供らを描いた肖像画である。



【子供たちを暖かく見つめる夫人】
姉ジョルジェットに視線を向ける弟ポール。夫人は本作を大変気に入り、官展での評価を強く推し、画家の画壇での出世作となったほか、この夫人が催す華やかなサロンの場では当時の政治家や官展画家、文筆家、女優など様々な人々と出会うきっかけともなった。



【姉に視線を向ける弟ポール】
ニューファンドランド犬(もしくはセントバーナード)の上に腰を下ろす姉ジョルジェット。人物の描写は非常に繊細かつ優美であり、観る者に幸福で家庭的な温もりを感じさ、また当時欧州を席巻していたジャポニズム的な部屋の家具や装飾などを始めとする部屋内の雰囲気や色彩は多様で豊潤な美しさを備えている。



【犬の上に腰を下ろす姉ジョルジェット】

Salvastyle.com 自己紹介 サイトマップ リンク メール
About us Site map Links Contact us

homeInformationCollectionDataCommunication
Collectionコレクション
作品イメージ