2011/01/02掲載
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竹図襖(Bamboo) 1759年各168.3×93cm | 襖絵四面・紙本墨画 | 鹿苑寺(金閣寺) 関連:鹿苑寺大書院障壁画 『葡萄図襖絵』 糸遊が如く揺らめく竹幹。1759年に龍門承猷の(鹿苑寺への)入寺祝いとして同院障壁画の注文を受け制作された本作は、鹿苑寺大書院来訪時に最初に入ることになる狭屋之間の襖絵として(おそらくは障壁画制作の最後期に)手がけられた作品である。
【糸遊が如く揺らめく竹幹】
緩やかな曲線の妙。本作で描かれる竹幹は筆の勢いと擦れの効果を活かし、まるで糸遊が如く揺らめいているかのような姿で描かれており、竹独特の硬質的な表層の肌質はまるで感じさせず、竹の繊維によるしなやかな特性のみを強調している。
【緩やかな曲線の妙】
高度に意匠化された竹葉。本作では竹葉の描写においても若冲の独自性が示されており、特に撥筆によって三角形状に意匠化(パターン化)し、濃淡によって月光の様子を表す描写手法は観る者を強く魅了する。
【高度に意匠化された竹葉】 |