■ |
四季≪春≫ (Quattro stagioni Primavera)
1573年
76×63.5cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
一度見たら決して忘れることのできない強い印象と、奇妙な感覚を与える、マニエリスムの画家アルチンボルドの連作『四季』より≪春≫。この≪春≫は春に芽吹く花を始めとする植物から構成され、マクシミリアン2世がザクセン選帝侯アウグストに進呈する為に依頼し、制作された作品で、連作である『四季』の四枚が全て揃う最も古いヴァージョンでもあるが、周囲の花飾りは17世紀に後補されたと考えられている。この『四季』シリーズではプラハの所蔵目録から、1563年、当時仕えていた皇帝フェルナンド1世のために制作された三組の『四季』が最も古いものとされるが、現在はウィーン美術史美術館が所蔵している≪春≫、≪夏≫、≪冬≫を残すのみである(≪秋≫や他二組は消失)。また本作は≪冬≫の対画として考えられている。
|