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四季≪冬≫ (Quattro stagioni Inverno) 1573年
76×64cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ) |
アルチンボルドの代表的連作『四季』を締めくくる作品≪冬≫。これまでの≪春≫、≪夏≫、≪秋≫とは異なり、枯れ朽ちた一本の樹木を中心に構成された1573年制作の本作は、マクシミリアン2世がザクセン選帝侯アウグストに進呈する為に依頼し制作された。老人をイメージさせる古木の顔面の深い褐色は、冬の厳しさを連想させるほか、この人物(老人)がこれまでに歩んできた人生の深さをも連想させるが、アルチンボルドの表現力はそれだけに留まらない。画面下部右に描かれる檸檬とオレンジは、来るべき春への希望とも解釈できる。その意味も含まれているだろう、本作は一般的に≪春≫の対画とされている。
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