■ |
聖母子と聖ヒエロニムス, マグダラのマリア(昼)
(Madonna col Bombino e san Gerolamo e santa Maddalena (Giorno))
1527-28年
205×141cm | Oil on panel | Galleria Nazionale, Parma |
エミリア派の巨匠コレッジョの代表作『聖母子と聖ヒエロニムス, マグダラのマリア』。イル・ジョルノ(昼)とも呼ばれる本作は、地面、もしくは床に座り謙譲の意を表す、祭壇画の典型主題≪聖家族
-謙譲の聖母子-≫の聖母子像に、キリスト教の聖人で、ラテン教会 四教父のひとり聖ヒエロニムスが共に描かれたのが大きな特徴。パルマにあるサントニオ聖堂の家族祭壇画のために1523年プリセイデ・コッラより発注され描かれた。また本作は翌年制作された『羊飼いの礼拝』の対画と推定されている。本作の大胆な構図や類稀な感覚による彩色の配置など注目すべき点は多々あるが、特に人物の甘美性は特筆に値する。聖母マリアの母性や品格、聖性を感じさせる表現はもとより、娼婦であったが、その悔いを改め、キリストの足に香油を塗ったとされる1世紀キリスト教の聖女マグダラのマリアの恍惚に満ちた表情や聖母の右隣に配された生誕を祝福するために地上へ降り立ち、聖なる書物の中身をキリストに見せる神の使者天使の端整な描写は画家の全作品の中でも白眉の出来栄えである。
関連:対画 羊飼いの礼拝≪ラ・ノッテ(夜)≫
|