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聖母子と聖人たち(プッチ祭壇画)
(Madonna con il Bambino e santi) 1518年
214×185cm | 油彩・板 | サン・ミケーレ・ヴィズドミニ聖堂 |
当時のフィレンツェ市行政長官、フランチェスコ・ディ・ジョヴァンニ・プッチの注文により制作されたことからプッチ祭壇画とも呼ばれる、ポントルモ初期の代表的な作品のひとつ『聖母子と聖人たち』。玉座の聖母子を中心に福音書記者聖ヨハネ、聖ヨセフ、洗礼者聖ヨハネ、聖フランチェスコ、聖ヤコブなど諸聖人や天使を配した本作は、アンドレア・デル・サルトの下で修行していたポントルモが独立し、その独特な画風が確立された作品として、ポントルモを研究する上での重要な作品でもある。はにかみを思わせる慎ましい笑みを浮かべる聖母を頂点に、諸聖人を三角形に配する構図は、フラ・バルトロメオの作品『聖母子と6人の聖人』など、先人の影響と受けたものと考えられている。また本作の表現からはレオナルド・ダ・ヴィンチからの影響と見られる心理的な性格やスフマートの技法も確認されている。なお画面右端に描かれる一二人の息子たちはイスラエル十二部族の祖とされる聖ヤコブ像はポントルモの自画像とも云われている。
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