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聖母子と2聖人 (Madonna con il Bambino e due
santi)
1522年頃 | 72×60cm | Oil on panel | ウフィツィ美術館 |
現在もポントルモによる作品か議論されているが、今のところ同画家の手によるものとされているウフィツィ美術館所蔵の『聖母子と2聖人』。色褪せの侵攻は否めないが、強い色彩同士のコントラストと典型を成す構図によって生まれる、古典的な調和の崩壊がポントルモ作品とされる所以のひとつである。様式的に見ると非常に古典的構図によって描かれる玉座の聖母マリアと幼子イエスの姿。しかし配される人物の姿勢、視線、身振りや表情によって示唆される意味が、それまでの様式美や古典的表現を開放している。また本作中に描かれる2天使は同時期に活躍していたロッソ・フィオレンティーノの作品『玉座の聖母子と4人の聖人』中下部に配される天使像の類似点も注目されている。
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