Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
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グランド・オダリスク(横たわるオダリスク)


(La Grande Odalisque) 1814年
91×162cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

新古典主義最後の巨匠ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングルが34歳の時に描いた代表作『グランド・オダリスク』。主題は当時流行したオリエンタル趣味≪オダリスク≫で、皇帝ナポレオンの妹であるナポリの王妃カロリーヌの依頼により描かれたが、制作途中で帝政が崩壊した為、数年の後に画家自身の手によってサロンへ出品された経緯を持つ。女性美を輝く肌と優雅な曲線を用い、デフォルメされた抽象的表現で描かれた本作だが、発表時は調和や統一性、形式美、理知などが尊重された時代だった故、そのいびつな背中と伸びきった腕を持つ裸婦の姿に、当時の評論家から多大な非難を受けたものの、人体構造的にはあり得ない伸びきった背中や太過ぎる腰・臀部・大腿部は、アングルが美を追求した末に辿りついた表現として、現在は同画家の大きな特徴として認識されている。画家は若い頃、修行で訪れたローマでルネサンス芸術に触れ、特に巨匠ラファエロの影響を強く受け、この裸婦の顔つきもラファエロの傑作≪若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)≫の影響と思われる表現が本作には用いられている。


【全体図】
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若い頃、修行で訪れたローマでルネサンス芸術に触れ、特に巨匠ラファエロの影響を強く受け、この裸婦の顔つきもラファエロの傑作≪若い婦人の肖像(ラ・フォルナリーナ)≫の影響と思われる表現が用いられている。



【振り返り観る者と対峙する女性の表情】
非難の的となった歪んだ裸婦の背中。人体構造的にはあり得ない伸びきった背中だが、画家が美を追求した末に辿りついた表現として、同画家の大きな特徴として認識されている。



【非難の的となった歪んだ裸婦の背中】
イタリアでの修行時代に学んだ、美しさは写実のみではないことを表現した人体構造的には太過ぎる腰・臀部・大腿部。また長く伸びだ右腕の先の手には、孔雀の羽根の扇が握られている。



【太過ぎる腰・臀部・大腿部】

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