Description of a work (作品の解説)
2011/02/02掲載
Work figure (作品図)
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アグリジェントの古代都市
(アグリゲントゥムの古代都市−構成された風景)


(Ancienne ville d'Agrigente) 1787年
110×164cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

18世紀を代表するフランスの風景画家ピエール=アンリ・ド・ヴァランシエンヌ新古典様式の代表作『アグリジェントの古代都市(アグリゲントゥムの古代都市−構成された風景)』。本作は画家が王立絵画・彫刻アカデミーへ入会した1787年に制作された、同年のサロンへも出品された風景画作品で、画題としてヴァランシエンヌがイタリア旅行で訪れたイタリア南部シチリア島南岸の都市アグリジェントの著名な考古遺跡(神殿の谷)の情景が描かれている。画面前景には当時の考古学に基づいた古代の衣服を身に纏う人々と朽ちた神殿跡が入念な筆捌きで描き込まれ、陽光に輝く河を挟んで中景には神殿遺跡群、さらに遠景には美しい山々とうねりを帯びる雲翳が広がっている。画家が2度のイタリア訪問で強く影響を受けた17世紀フランス古典主義の最も重要な風景画家クロード・ロランに通じる繊細さの際立つ伝統的な大気的な遠近法、詩情的な光源処理による理想的風景の描写、理知的な画面構成などに神秘性やある種の心情性を感じさせる自然表現を加えた風景展開は同時代(18世紀フランス)に制作された風景画の中でも特筆に値する出来栄えと完成度が示されている。


【全体図】
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アグリジェントの神殿遺跡群。本作は画家が王立絵画・彫刻アカデミーへ入会した1787年に制作された、同年のサロンへも出品された風景画作品で、画題としてヴァランシエンヌがイタリア旅行で訪れたイタリア南部シチリア島南岸の都市アグリジェントの著名な考古遺跡の情景が描かれている。



【アグリジェントの神殿遺跡群】
陽光に輝く山脈。画面前景には当時の考古学に基づいた古代の衣服を身に纏う人々と朽ちた神殿跡が入念な筆捌きで描き込まれ、陽光に輝く河を挟んで中景には神殿遺跡群、さらに遠景には美しい山々とうねりを帯びる雲翳が広がっている。



【陽光に輝く山脈】
19世紀バルビゾン派の画家コローにも通じる抒情詩的な自然描写。繊細さの際立つ伝統的な大気的な遠近法、詩情的な光源処理による理想的風景の描写、理知的な画面構成などに神秘性やある種の心情性を感じさせる自然表現を加えた風景展開は白眉の出来栄えである。



【抒情詩的な自然描写】

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