Description of a work (作品の解説)
2008/06/03掲載
Work figure (作品図)
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真珠の女

 (Femme à la perle)1858-68年頃
70×55cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)

19世紀フランス美術界の中で最も優れた画家のひとりジャン=バティスト・カミーユ・コローを代表する人物画作品『真珠の女』。コローが死去するまで手放さず客間に飾っていたことからも、画家自身、非常に重要視していたことをうかがい知ることができる本作は、画家の自宅の近所に住んでいた古織物商の娘ベルト・ゴールドシュミット(16-17歳の頃)をモデル(※本作のモデルに関しては一般的にベルト・ゴールドシュミットとする説が有力視されるが、諸説唱えられており、現在も議論が続いている)に、女性の上半身像を描いた作品である。本作に描かれるベルト・ゴールドシュミットは木の葉の冠を着けているが、額部分の飾りが、あたかも真珠のような輝きを放っているために『真珠の女』と呼称されるようになった。また古くから『コローのモナ・リザ』とも呼称されるよう、寸法を始め、やや斜めに構えるモデルの姿態や右手を上にして組まれる両腕など本作は明らかにルネサンス三大巨匠のひとりレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナ・リザ(ジョコンダ)』から着想が得られている(また多くの類似性からコローによるモナ・リザ(ジョコンダ)の独自的解釈とも位置付けられている)。画面中央から上部に描かれるベルト・ゴールドシュミットの表情は、表立って感情を露にしていないものの、その瞳の奥には秘められた強い意思を感じさせる。全体の姿態とそこから醸し出される雰囲気は非常に気品高く、女性的な(曲線的)柔らかさと優美性に溢れており、コロー独特の色数を抑えた褐色的な色調・色彩による対象表現と驚くほどの調和を示している。

関連:レオナルド・ダ・ヴィンチ作 『モナ・リザ(ジョコンダ)』


【全体図】
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秘められた強い意思を感じさせる瞳の表情。コローが死去するまで手放さず客間に飾っていたことからも、画家自身、非常に重要視していたことをうかがい知ることができる本作は、画家の自宅の近所に住んでいた古織物商の娘ベルト・ゴールドシュミットをモデルに、女性の上半身像を描いた作品である。



【強い意思を感じさせる瞳の表情】
色数を抑えた褐色的な色調・色彩。全体の姿態とそこから醸し出される雰囲気は非常に気品高く、女性的な(曲線的)柔らかさと優美性に溢れており、コロー独特の色数を抑えた褐色的な色調・色彩による対象表現と驚くほどの調和を示している。



【色数を抑えた褐色的な色調・色彩】
右手を上にして組まれる両腕。寸法を始め、やや斜めに構えるモデルの姿態や右手を上にして組まれる両腕など本作は明らかにルネサンス三大巨匠のひとりレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナ・リザ(ジョコンダ)』から着想が得られている。



【右手を上にして組まれる両腕】

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