Description of a work (作品の解説)
2004/09/01掲載
Work figure (作品図)
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ビーナスの誕生

 (Nascita di Venere)1485年頃
172×278cm | テンペラ・画布 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

ルネサンス期に活躍した15世紀フィレンツェ派を代表する巨匠ボッティチェリ随一の傑作『ビーナスの誕生』。主題は古代アペレスの失われた名画≪海から上がるヴィーナス≫を復元したもので、本作は同じくボッティチェリの代表作『春(ラ・プリマベーラ)』の対画として、画面メディチ家より発注され、制作された作品とされている。画面中央で貝殻に乗り海から誕生した裸体の美の女神ヴィーナスは、一般的に『天上のヴィーナス』を表現したものとされている(『春(プリマベーラ)』に描かれている着衣のヴィーナスが『世俗のヴィーナス』だと解釈される)。画面左部分には風に乗り、花を蒔きながら美の女神ヴィーナスの誕生を祝福する西風の神ゼフロスとその妻、花の女神フローラが配され(ローマ神話のファウォニウスと同一視されるゼフロスは、ボレアス(北風)とノトス(南風)が兄弟とされている)、画面右部分には産まれたばかりのヴィーナスに絹の布を掛けようとする、時の女神ホーラが配された(時の女神ホーラは≪時≫又は≪永劫≫が擬人化した女神として、紀元前5世紀頃から各地で信仰されるようになった)。なお本作は1987年に修復作業がおこなわれた。


【全体図】
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一般的に春(プリマベーラ)に描かれている着衣のヴィーナスは『世俗のヴィーナス』を表わすのに対し、この裸体のヴィーナスは『天上のヴィーナス』を表わすとされている。



【帆立貝に立つヴィーナス】
風に乗り、花を蒔きながらヴィーナスの誕生を祝福する西風の神ゼフロスとその妻、花の女神フローラ。ローマ神話のファウォニウスと同一視されるゼフロスは、ボレアス(北風)とノトス(南風)が兄弟とされている。



【西風ゼフュロスと花の女神フローラ】
産まれたばかりのヴィーナスに絹の布を掛けようとする、時の女神ホーラは、≪時≫又は≪永劫≫が擬人化した女神として、紀元前5世紀頃から、各地で信仰されるようになった。



【時を司る神ホーラ】

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