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聖母の7つの悲しみ(Sieben Schmerzen Mariae)1496年頃
189×134cm | Oil on panel | ドレスデン国立絵画館ほか |
フリードリヒ賢明公の注文を受け、デューラーが25歳頃に手がけた祭壇画『聖母の7つの悲しみ』。109.2×43.3cmで描かれる≪悲しみの聖母≫部分を中心にし、≪キリストの割礼≫、≪エジプトへの逃避≫、≪博士たちと議論するキリスト≫、≪十字架を担うキリスト≫、≪十字架へのはりつけ≫、≪キリストの磔刑≫、≪キリストの哀悼≫とキリストの生涯と聖母マリアの悲しみの7場面を約63×45.5cmのサイズで描き周りに配している本作は、デューラーが1504年に手がけた初期の代表作『東方三博士の礼拝』前の宗教画作品としては最も高い完成度を示している。特に後光を背負う聖母マリアの悲観に満ちている表情は、当時本作を観る者に深い感銘を与えたとされている。また本作は中央部分≪悲しみの聖母≫はデューラー直筆とされているが、他の7つの場面については構図、色彩、タッチなどの違いから真偽を疑問視され、現在もその研究が続けられている。
関連:聖母の7つの悲しみ 各部分名称
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