Introduction of an artist(アーティスト紹介)
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ヴィンチェンツォ・フォッパ Vincenzo Foppa
1427-1516 | イタリア | 初期ルネサンス ロンバルディア派




15世紀ロンバルディア派における最も重要な画家。当初は国際ゴシック様式を示しながらも、ヴェネツィア派の始祖ヤコポ・ベッリーニやパドヴァ派の代表的な画家アンドレア・マンテーニャの影響を受け、遠近法と現実の観察に基づく光彩表現を用い、優美性と現実性を併せ持つ独自の様式を確立。ロンバルディア地方にパドヴァやトスカーナの新しい芸術をもたらす決定的な役割を果たした。1460年代まで活動拠点はミラノを中心にジェノアなどその周辺に限られていたが、1470年代からはブレーシア、パヴィア、サヴォナなどに作品を残し、晩年はブレーシアに戻り、同地の聖堂のための壁画や祭壇画などの制作をおこなっていたことが判明している。

Description of a work (作品の解説)
Work figure (作品図)
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書物の聖母

 (Madonna del libro) 1468年以後
38×30cm | テンペラ・板 | スフォルツァ城市立美術館

15世紀ロンバルディア派の代表する画家ヴィンチェンツォ・フォッパ初期の重要作『書物の聖母』。窓枠を思わせる額の中に書物を手にする慈愛の聖母マリアと幼子イエスを配した典型的な≪聖母子像≫を描いた小作であるが、本作に示される情愛と憂いが複雑に交差する聖母マリアの独特な表情や祝福のポーズをとる幼子イエスの纏うローマ風の薄着を始め、落ち着きを感じさせる褪せた色彩表現や、暗く沈みながらもその中に非常に繊細な光彩表現が為されるなど本作にはヴィンチェンツォ・フォッパの実験的な手法が随所に示されている。また本作にはロザリオの装飾がなされた幾何学的な枠組みの使用や、その周囲に配されるローマ文字による銘文などパドヴァ派の代表的な画家アンドレア・マンテーニャが色濃く示されており、15世紀ロンバルディア派を代表する画家の様式形成において特に重要視される作品のひとつとして知られている。

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【全体図】
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ボッティジェラ祭壇画

 (Pala Bottigella) 1486年頃
175×124cm | テンペラ・板 | パヴィア市立美術館

ロンバルディア派の最も偉大なる画家のひとりヴィンチェンツォ・フォッパを代表する傑作『ボッティジェラ祭壇画』。画家の円熟期となる1480年代にパヴィアのサン・トンマーゾ聖堂ボッティジェラ家礼拝堂のために制作された本作は、聖母子を中心に諸聖人と寄進者を配した≪聖会話≫を主題に描かれた作品で、現実的でありながら聖母マリアと幼子イエスの聖性を損なわない優美な表現に、左から福者ドメニコ・ディ・カタローニャ、聖ヒエロニムス、洗礼者聖ヨハネ、聖ステパノ、聖マタイ、福者シビリーナ・ディ・パヴィアを輪を成すように配し、その中へ寄進者ジョヴァンニ・マッテオ・ボッティジェラと妻ビアンカ・ヴィスコンティの夫婦が跪き、幼子イエスより祝福を受ける姿が描かれている。

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