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メロッツォ・ダ・フォルリ Melozzo da Forli
1438-1494 | イタリア | ルネサンス
15世紀イタリアで活躍した画家。遠近法や短縮法(ソット・イン・スー)など表現技巧に優れ、イリュージョニックで独創的な独自の絵画様式を確立し名声を博す。特に人文主義・文化芸術を受容した典型的なルネサンス教皇で、システィーナ礼拝堂の建立者としても知られるローマ教皇シクストゥス4世(在位1471-84年)の強力な庇護の下、当時「教皇の画家(ピクトル・パパリス)」とまで呼称されるほどローマを中心とした北東部イタリアの絵画芸術発展に極めて重要な役割を果たした。1438年イタリア東部フォルリで生まれ、若き頃ウルビーノに滞在し、
ピエロ・デラ・フランチェスカから遠近法や幾何的様式美を学ぶ。また同時期にジェスト・ディ・ガンなど北方の画家や
アンドレア・マンテーニャからも強く影響を受け、自身の様式を確立。その後、ローマやマルケ地方で活躍し名声を高め、15世紀後半からは教皇庁からの依頼を数多く受け、彼らの期待に応えた。1494年、生地であるフォルリで死去。当時は盛期ルネサンス三大巨匠のひとり
ラファエロの父ジョヴァンニ・サンツィオを始めとした同時代の画家からも注目されるほど広く実力が認められていたものの、ローマ以外の活躍が小地方であったこともあり死後は閑却的に扱われがちであるが、ルネサンス芸術の形成、発展においてその功績は非常に大きい。