2006/09/08掲載
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バルダッサッレ・カスティリオーネの肖像(Ritratto di Baldassarre Castiglione) 1514-1515年頃 82×67cm | 油彩・画布 | ルーヴル美術館(パリ)
深い精神性と高潔な眼差しを携えるカスティリオーネの表情。本作に描かれるのは、ロンバルド地方出身の貴族で、16世紀イタリアのルネサンス宮廷生活の典型的な人間像を記した≪廷臣論≫の著者として知られる有名な文学者であり、外交官でもあった≪バルダッサッレ・カスティリオーネ≫の肖像である。
【精神性と高潔な眼差しを携えた表情】
柔らかい毛並みの質感を感じさせる質の高い衣服の描写。ラファエロは≪バルダッサッレ・カスティリオーネ≫が持つ理念や主義、思想を、人物肖像として画面の中に理想的な再構築、つまりひとつの在るべき理想形として人物を表現しているのである。
【質の高い衣服の描写】 |