Description of a work (作品の解説)
2004/09/21掲載
Work figure (作品図)
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大公の聖母

1504年
(Madonna del granduca (Madonna col Bambino))
84×55cm | 油彩・板 | ピッティ美術館(フィレンツェ)

トスカーナ大公であったハプスブルク家のフェルディナント3世が所蔵し、公務で出向する際は勿論、私的な旅行のときでさえ、片時も手放すことはなかったというほど、この作品を賞賛していたことから、このように呼ばれるようになった、聖母の画家ラファエロの代表作『大公の聖母』。主題はラファエロが最も数を手がけた主題である≪聖母子≫で、当時、まだ画家として成功への道を歩み始めたばかりのラファエロが、先人レオナルド・ダ・ヴィンチなどからスフマート(ぼかし技法)技巧や絵画展開に強い影響を受け、このような簡素な背景の中に浮かび上がる聖母子の姿を描いたと推測されており、暗い背景の中から浮かび上がる聖母子の姿の簡素でありながら慈愛に溢れた感情の表現は、後にフィレンツェで描くことになる聖母子の原型であったと研究されている。また愛情に満ちた身振りをおこなう幼子キリストの視線は強い意思を持ちながらも威圧感は存在せず、人々を導く先導者としての才覚の一片を覗かせている。


【全体図】
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暗い背景の中から浮かび上がる聖母マリアの姿。この簡素でありながら慈愛に溢れた感情が表現される本作は、後にフィレンツェで描くことになる聖母子の原型であったと研究されている。



【聖母マリアの姿】
愛情に満ちた身振りをおこなう幼子キリスト。その視線は強い意思を持ちながらも威圧感は存在せず、人々を導く先導者としての才覚の一片を覗かせている。



【幼子キリストの姿】

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