Description of a work (作品の解説)
2004/09/24掲載
Work figure (作品図)
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アヴェロルディの多翼祭壇画


(Polittico dell' Averoldi) 1520-1522年頃
403×235cm | 油彩・板 | Santi Nazaro e Celso, Brescia

1520年、教皇レオ10世のヴェネツィア駐在大使であったアルトベッロ・アヴェロルドが、故郷であるブレッシャのサンティ・ナッザロ・エ・チェルソ聖堂の主祭壇画をティツィアーノに依頼し制作された初期の傑作『アヴェロルディの多翼祭壇画』。当時隆盛を極めていたミケランジェロラファエロの影響も指摘されている本作はキリストの復活、受胎告知、守護聖人と三つの場面構成からなる祭壇画で、色彩の豊かさや劇的な表現など早くから開花していたティツィアーノの才能がうかがえる作品のひとつである。本祭壇画中央に置かれる主題≪キリストの復活≫は、十字架に掲げられロンギヌスの持つ槍の一突きで死に至ったキリストが、死の三日後、勝利の証である旗を手しに、屋外に置かれた石棺の上(本作では中空)に立ち復活を遂げる場面を指す。また祭壇画左上部分には≪受胎告知の天使≫が、右上部分には≪受胎告知の聖母≫が、左下部分には≪聖ナザリウスと聖ケルルスと寄進者≫が、右下部分には≪聖セバスティアヌス≫が描かれている。


【全体図】
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祭壇画中央部分≪キリストの復活≫。この主題は、十字架に掲げられロンギヌスの持つ槍の一突きで死に至ったキリストが、死の三日後、勝利の証である旗を手しに、屋外に置かれた石棺の上(本作では中空)に立ち復活を遂げる場面を指す。



【祭壇画中央部分】
祭壇画左上部分≪受胎告知の天使≫。本作ではキリストの聖胎を告げる大天使ガブリエルは生の始まりを表す純白の衣を身にまとい、神の意志が示される聖巻を手にしている。



【祭壇画左上部分】
祭壇画右上部分≪受胎告知の聖母≫。手を胸に当て、父なる神の御意志を貞淑に受け入れることを示す聖母マリアは、聖母の画家として名を轟かせていたラファエロの影響を受け描かれたものだと考えられている。



【祭壇画右上部分】
祭壇画左下部分≪聖ナザリウスと聖ケルルスと寄進者≫。画面左下には、守護聖人である聖ナザリウスと聖ケルルスに導かれる寄進者アルトベッロ・アヴェロルドが祈りを捧げている。



【祭壇画左下部分】
祭壇画右下部分≪聖セバスティアヌス≫。聖セバスティアヌスとは、古代ローマの近衛兵でキリスト教に改宗した聖人で、改宗したことから仕えていたディオクレティアヌス帝下の迫害に遭い、矢によって射られ殉教したと伝えられる。14世紀からは疫病(主にペスト)に対する守護聖人として描かれた。



【祭壇画右下部分】

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