Description of a work (作品の解説)
2009/07/12掲載
Work figure (作品図)
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東側から見るクロイツ聖堂の残骸(ドレスデンの十字架教会の廃墟)


(Resti dekka Kreuzkirche da est) 1765年
80×110cm | 油彩・画布 | ドレスデン国立絵画館

18世紀の風景画家の中でも傑出した存在のひとりであるベルナルド・ベロット随一の代表作『東側から見るクロイツ聖堂の残骸(ドレスデンの十字架教会の廃墟)』。本作はベルナルド・ベロットにとって二度目の滞在となったドレスデンのゴシック様式によるシンボル的な教会≪聖十字架教会(クロイツ聖堂)≫を再建するために解体(取り壊し)している現場を描いた作品である。本作の画題≪聖十字架教会(クロイツ聖堂)≫は1760年にプロイセン軍の進攻爆撃によって、教会として機能しなくなるほど破壊されてしまった為に、再建する必要があった(※なお同教会は後にロココ様式で再建された)。本作に描かれる再建のための教会解体の情景は、当時の様子をありありと伝えるだけでなく、破壊と再生という詩情性や、ドレスデンで暮らす人々の逞しい生命力すら見出すことができる。画面中央やや左側に爆撃され無残に破壊され廃墟と化した聖十字架教会が配され、教会の前には解体処理で発生した教会の残骸が山積みされている。前景となる画面下部には解体作業に従事する人々や、何やら打ち合わせをする紳士ら、解体作業を眺める(高い身分を思わせる)身なりの良いの者たちなどが描かれており、当時の様子をうかがい知ることができる。さらに画面右側には大勢の人々が堅牢な建物の前に緻密な筆触で丹念に描き込まれており、細部に至る部分までベルナルド・ベロットの技量の高さを感じることができる。また正確ながら観る者への印象も計算された構図展開や構成要素の配置、絶妙な空間処理、詩情性を感じさせる曇り空の微妙な光彩表現なども本作の大きな見所のひとつである。


【全体図】
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プロイセン軍によって破壊された聖十字架教会(クロイツ聖堂)の姿。本作はベルナルド・ベロットにとって二度目の滞在となったドレスデンのゴシック様式によるシンボル的な教会≪聖十字架教会(クロイツ聖堂)≫を再建するために解体(取り壊し)している現場を描いた作品である。



【破壊された聖十字架教会の姿】
教会の前に山積みされた残骸。正確ながら観る者への印象も計算された構図展開や構成要素の配置、絶妙な空間処理、詩情性を感じさせる曇り空の微妙な光彩表現なども本作の大きな見所のひとつである。



【教会の前に山積みされた残骸】
解体作業をおこなう人々の逞しい姿。本作に描かれる再建のための教会解体の情景は、当時の様子をありありと伝えるだけでなく、破壊と再生という詩情性や、ドレスデンで暮らす人々の逞しい生命力すら見出すことができる。



【解体作業をおこなう人々の逞しい姿】

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