2008/05/22掲載
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狩りから帰るディアナ(Retour de chasse de Diane) 1745年94×132cm | 油彩・画布 | コニャック=ジェ美術館(パリ) 関連:ロサンゼルス美術館所蔵 『田園の内緒ごと』 純潔の象徴であり、多産や狩猟を象徴する地母神でもあるローマ神話上の女神ディアナの姿。本作はおそらく『田園の内緒ごと』や『田園の化粧』、『説き伏せられたエーリゴネー』と共に、シャルトル公フォリー・ド・シャルトル城の戸口上部のために制作された4点の装飾画の中の1点である。
【ローマ神話上の女神ディアナの姿】
非常に官能的な女神ディアナの姿態。本作に描かれるディアナの姿態はどこまでも優美でありながら、足を組み、左手で青色の紐を解く瞬間の動作や曲線美には類稀な官能性を見出すことができ、そこに女神ディアナが内面に抱く本来の荒々しい気性は微塵も感じられない。
【非常に官能的な女神ディアナの姿態】 ディアナの従者として狩りに同行したニンフたち。この三人の中の最も手前のニンフはディアナと対するかのように類似した姿態で描かれており、身に着ける青色と黄色の衣服の色彩的対比の美しさも特筆に値するものである。
【従者として狩りに同行したニンフたち】 |